狐面の主人
「五穂にも、府に落ちない事があるのだろうな…。
今は…まだいい……。」
炎尾の声は落ち着いていた。
そして、約束のあの言葉も、無しに…。
「あ…も、申し訳……っ。」
頭を下げようとした五穂を静止させる。
「いいよ…。
どうせ、俺が無理に頼んだこと…。
あの時の言葉も…無かった事にしてくれ……。」
五穂の心が、ずんと重くなった。
「………ですが…。」
「俺は今から……全てを終わらせに行く……。」