狐面の主人


「……妖狐達は……、
途方も無く、強大な化け物に、その力を託してしまったという訳、だ……。」


「……?」


背中を抱く腕に違和感を感じ、五穂は炎尾を見た。

そして、驚愕した。



「………炎尾様………?
その、お顔………。」





炎尾の面が、罅割れている。

真っ二つに亀裂が入り、かろうじて紐で繋がっているだけ。
今にも壊れそうだ。


「…………。」


そっと振り返り、違和感を感じた腕を見る。


「…ッ!?」


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