狐面の主人




「…五穂。」






「っ!!はっ、はいっ!!」



突然名を呼ばれ、五穂は慌てて顔を上げた。

目の前の座布団に、炎尾がどっしりと座っている。
男にしては、少々華奢な身体つきに見えるが、座り構える姿からは、とてつも無い威圧感が感じられた。







「…何か、聞きたいことはあるか?」




「えっ……。」



まさに今、その答えを出そうとしていたところだ。

だが相手から聞かれては、流石に軽々しく問う訳にもいかない。


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