狐面の主人


いくら好奇心が旺盛だからと言って、主の面を剥ぎ取るなどという真似は出来ない。

だがこのまま何もしないのも、辛い。


五穂は成す術無く、また下を向いた。



「遠慮をするな。
何をしても、俺は怒らん。」


「……………っ。」


甘い誘惑にも屈せず、五穂は頑なに意地を張り通す。


そんな五穂を、炎尾は何処か、楽しそうに見つめていた。


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