狐面の主人





「……あの…え、炎尾様…。」


おずおずと口を開く五穂。


「何だ?」



段々と、面の上からでも分かってきた、炎尾の表情。
今はきっと、笑っている。




「では…今までの……人の姿を成すための道具である…というのも、嘘…でございますか…?」


チラリと面を見た。
炎尾は何も言わない。


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