狐面の主人
「え…?
……あ、あっ、申し訳ありませんッ!!
あの、えと、えぇと…っ!」
恐ろしく動揺する五穂。
炎尾は怒る訳でもなく、黙って五穂の肩を掴んだ。
「落ち着け。話が分からん。」
炎尾は困ったように言う。
急に恥ずかしくなり、五穂はうつ向いてしまった。
「も、申し訳ありません…。」
「なんだ、慌てたり謝ったり、忙しい奴だな。
言いたい事があるのだろう?」
五穂はコクリと頷き、炎尾の顔を見上げた。
良かった。
怒ってはいないようだ。