狐面の主人
「油揚げ…ですか?
それで、良いのでしょうか?」
五穂にとって油揚げを作ることなど何でも無かったが、そんな物を貴族の人々に出すことに抵抗を覚えていた。
【まぁ考えてたって仕方ねぇ。
五穂の料理の腕を信じて、今夜は油揚げ祭りでぃ!!】
「うーん…。
そうですね、作りましょう!」
こうして、八名の謎の御客に出す料理が決まった。
「…五穂…本当にやる気か。」
台所のすぐ外では、腕組みをした炎尾が、五穂の様子を見守っていた。