狐面の主人


リン……リン……


橋から現れたのは、なんとも奇妙な男だった。



足元まで伸びる、流れるような白髪。
かろうじて付かないように、足には底の高い、赤い下駄を履いている。

高価な純白の着物を着て、首には髑髏の首飾りを付けている。


そして何より驚いたのは、その男が被っている、狐の能面だった。



これではまるで妖怪のようだ。


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