ふたりの日常。~春の午後~
【4】
ちょっとむくれるわたしと、なんだか嬉しそうな啓介。
猫っ毛でやわらかい髪の毛が、昼下がりの陽を浴びてきらきらしている。
「もう、人の話聞いてなかったでしょ。わたしじゃなくて絵美ちゃんの話してたのに」
「聞いてたよ。明日香の本音が聞こえたからさ。“6月にピンクのドレス着て披露宴したい~”って」
「言ってません!茶化さないでよ」
ますます不機嫌になるわたし。対照的に、なぜか笑顔の啓介。
ほんと昔っから啓介のこういうところが理解できない。
いつもわたしのことをからかってばかり。
で、本心はあんまり外に出さないの。なんか、ずるい。
わたしがもし本当に結婚したいって言ったら、どうするつもりなんだろう。
猫っ毛でやわらかい髪の毛が、昼下がりの陽を浴びてきらきらしている。
「もう、人の話聞いてなかったでしょ。わたしじゃなくて絵美ちゃんの話してたのに」
「聞いてたよ。明日香の本音が聞こえたからさ。“6月にピンクのドレス着て披露宴したい~”って」
「言ってません!茶化さないでよ」
ますます不機嫌になるわたし。対照的に、なぜか笑顔の啓介。
ほんと昔っから啓介のこういうところが理解できない。
いつもわたしのことをからかってばかり。
で、本心はあんまり外に出さないの。なんか、ずるい。
わたしがもし本当に結婚したいって言ったら、どうするつもりなんだろう。