Cool Lip
断然やる気満々のわたしは、早速放課後から試験勉強開始!


…って、思ったんだけど…


「試験範囲って、どこまでだっけ…」


図書室で教科書を山積みにしたまま、一人途方に暮れる。


もぉ〜っ!何やってんだわたしは〜!!!


こんなことならリンリンに聞いておけばよかった〜!


今頃彼女は、所属するバスケ部の練習で大忙しのはず。


「…どうしよう…」


この時間じゃ教室に行っても誰も残ってないだろうし…


静寂の中もんもんと頭を抱えていると、思いがけず、天の声が降ってきた。


「水本さん、どうかした?」


目線の先にいる心配そうな佐藤さんの顔が、女神のように思えた。
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