Cool Lip
試験範囲を教えてもらって、いつも放課後は図書室で勉強してから帰るという佐藤さんと、日が暮れるまで一緒に過ごす。


わからない問題はすぐにきいてしまうわたしに、その度丁寧に解説してくれる彼女は、まさに女神だった。






「女神だなんて、大袈裟な…」


駅までの帰り道、隣で歩いてる佐藤さんが大いに照れてる。


一見地味に見える彼女だけど、はにかむ仕草はすごく女の子っぽくてかわいい。


「大袈裟なんかじゃないよ。わたし、すっごく佐藤さんに助けられたんだから!あの暗号みたいな古文がちょっとはわかるようになったし!」


この感動を伝えたくて、身振り手振りを交えて話すと、ますます佐藤さんは困ったように笑った。


「佐藤さんが迷惑じゃなければ、毎日一緒に勉強したいくらい!」


半分冗談で言ったつもりだったんだけど、真面目な佐藤さんは素直に受け止めてしまったらしい。


「迷惑なんかじゃないんだけど…」


そこで言葉を濁すから、ちょっと焦った。
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