Cool Lip
「あ、うそうそ!ちょっと言ってみただけだからっ。もう、今日教えてもらっただけで大助かり―――」


「ち、違うの、水本さん!」


精一杯おどけてみせるわたしを、切羽詰まった様子の佐藤さんが止めた。


「その…今日は水本さんが一緒にいたから…」


そこで人目を気にするようにキョロキョロと周りを見渡して、












「わたし……呪われてるの……」









「―――へ……?」









…そう、告白した佐藤さんの表情はとても真剣で、





わたしは笑い飛ばすこともできずに、固まるしかなかった。
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