Cool Lip
あー…


きっとまた、君には関係ないとか、付き纏うなとか、言われるかなー…


半ば覚悟してそっと様子をうかがうと、予想に反して三上くんは意地悪い笑みを浮かべていた。


「人の心配より、自分の心配した方がいいんじゃないのか?」


「う…」


笑ってる…


あの三上くんが笑ってる…


「…ごめんなさい…」


言われた内容よりもそっちの方がインパクトありすぎて、


わたしは何故かもう一度ごめんなさいと謝って、フラフラとその場を離れようとした。


そして段差につまずく。


「―――ッおい…」


「…ぎゃっ」


危うくすっころびそうになったわたしを…


「みみみみみかっ…みかっ…」


「…うるさい」


三上くんがしっかりと抱き留めて、支えてくれていた。


フワッとなんともいえない落ち着いた、イイ匂いが鼻をかすめる。
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