Cool Lip
呪いの黒猫
「―――水本さん」


授業そっちのけで一日悩んだあげく、


やっぱり今日は図書室へは行かず、自力でやろうと決意して鞄をとった時だった。


「佐藤…さん?」


ビックリして続きが出てこない。


クラスメートだし、何かあれば(昨日みたいに)気軽に話はできる仲ではあるけど、


こんなふうに放課後、彼女の方から話しかけてくるのは初めてだった。


…しかも、昨日のこともあるから…ちょっと構えてしまう。


「その…今日も図書室に、行かない?」


何にもなければ、喜んで頷いてたはずだ。


だけど…


「えっとぉ…」


どうしたらいいかわからずに視線をさ迷わせると、バチッと目が合った。


…三上くんと。
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