Cool Lip
―――バフッ


「い…たた……」


手足がもつれてるのか、自分が今どんな状態なのか把握できない。


「無事か…?」


耳元で囁かれて顔を上げると、すぐ目の前に端正な顔がある。


「はわわわわ…」


「…顔を真っ赤にする前に、そこ、なんとかしろ」


…へ…


でぇぇぇぇ…っ


冷静に指をさされた先は、めくりあがったスカートの下からあらわになった、わたしの…シマシマパンツ。


しかも、この状態じゃ、まるでわたしが三上くんを押し倒してるみたいじゃないの〜〜っ!!!


「ごごごごめんなさい〜!!!!!」


慌てて離れると(もちろんスカートを直しながら)、やれやれと三上くんは立ち上がって服を簡単に払った。


「いや、僕が強引に手を引いたのが悪かった」


「え…」


今、悪かったって…


あの三上くんが、謝ってくれた…?


ポケーっとしているわたしを見て当の三上くんは、


「色気のない下着だな」


…まるで無表情に感想を述べる。
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