Cool Lip
すると三上くんは目を細くしてわたしを見る。


「関係ない…ね…」


そんなに、見ないでほしい…。


身体はどんどん熱くなってくるし、その目で見られると全部が見透かされてしまいそうで…







「…佐藤亜由美には、あまり関わるな」







サラリと言われて、わたしはまたまたぽかーんと三上くんの顔を見る。


「君は黙って家で勉強してろ」


「なっ…!?」


それって、


「なんでそんなこと言うの!?」


しかし三上くんの表情からは、相変わらず何も読み取れない。


そして、答えてくれる気配もない。


さすがのわたしもカチンときた。


「わたし、佐藤さんに勉強教えてもらうんだもん!関わるな、なんて無理!」


ヤマを教えてもらうはずだったことは棚に上げて、わたしは強く出る。


すると三上くんは一瞬顔を強張らせて、はぁ〜っと大きくため息をついた。
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