Cool Lip
佐藤さんを責める気持ちはこれっぽっちもわいてこなかった。


何のことはない、佐藤さんも堅物王子が好きで―――


わたしと三上くんが試験うんぬんの賭けの話をしてたの、聞いちゃったんだよね。


それで、わたしが勉強に集中できないように、あんな、作り話を…


まぁ、


信じるわたしもわたしだし?


しかもさ、佐藤さん、


そんな妙な嘘つかなくたって、わたしが負ける確率の方が圧倒的に高いですから!!!


佐藤さんの作り話だった黒猫が実際にいたのには、佐藤さんもビックリしていた。


ほんと、ただの偶然だったのかなぁ…


何にせよ、佐藤さんはわたしが本気で探し出すとは思いもよらなくて、


そのせいで自分も苦しむことになっちゃったんだよね。


罪悪感で。


それももう終わり。


彼女が反省することで、呪いとやらも解けたんだと思う。
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