Cool Lip
「―――よしっ!」


気合いを入れて、朝の誰もいない廊下を歩く。


今日からちゃんと勉強しないと、本気でマズイ…。


もう試験はすぐそこまで迫ってるんだから。


昨日佐藤さんは、約束通りヤマを教えると言ったけど丁重にお断りした。


…だってさ、元をたどれば人をアテにしようとしてたわたしが悪いわけで。


やっぱり、愛は自分のチカラで手にいれないとね!


「やるぞ〜〜!!!」


そう言ってガラッと勢いよく開けた先に、







「…遅い」






「…なんでっ!?」







朝でも見目麗しい、わたしの王子様の姿がある。



ものすごい不機嫌そうなのは、気のせいじゃ、ない?
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