Cool Lip
あれから、




もう一度あの森林公園に行ってみたけど、




何度行っても、黒猫のルンの姿も、怪しい占い師の姿も、見当たらなかった。




まるで狐につままれたようだったけど…




あんまり気にしないことにした。




世の中に不思議なことって、数え切れないくらいあるものだから。




そして、




佐藤さんは、やがてわたしと三上くんが付き合いだしたのを知ったけど、




その時には心中はともかく、笑って祝福してくれた。




むしろそれ以外の、学校中がこのカップル成立を驚いたようだったけど…




まぁ、そんなことは堅物王子には気にするほどのことではないらしくて、




相変わらずの氷の視線でもってして、冷やかしを封じ込めている。




そうそう、試験の結果はというと―――




結果だけでいえばわたし、三上くんに勝つことができたんだ。




どうやってかって?




それは、まぁ、あまりイイ勝ち方じゃないから、ここでは秘密ということで…
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