君の僕
「なぁ、草買わん?」
薬の売人。
プッシャーに薬や草を勧められるのは
至って珍しいことではない。
「んー、要らない。」
「2000円でいいよ。」
「持ってないって。」
「んじゃ、身体で払う?歓迎なんだけど。」
こんな会話、
今の時代珍しくない。
「死ねよ。」
金を稼ぐ為に。
…それと上の奴に殺されないように。
売るのに必死になるプッシャー。
私は、嫌いだった。
カシオレを飲みきって、
フロアの中へ入っていく。
うるさいくらいに響く
Hip-Hopに身を委ねて
ノリ任せに、身体を揺らす。
場面で彼氏をつくったり
キスして、その後にセックス。
そんなの嫌ってほど知ってた。
「みーちゃん、裏行くん?」
「へへぇ。カッコイイでしょぉー。
千恵も早くおいでぇ。」
ハッキリと聞き取れないほど
美月は酒か、薬に潰れてた。
Clubの裏は、ロッカールーム。
沢山置いてあるベンチで
知らない奴同士がセックスし合う。
今なら分かる。
…相当危険な場所だった。