君の僕

美月と合流するのは、
いつも決まって駅隣のLOFT。

「遅いよぉ。」

1階のメイクのコーナーで
付けマツゲを眺める美月に近づくと
彼女はすぐに私に気づいた。

「いや、急いだよ。
んで?どこ行くの??」

「んっとねー、合コン!!!」

「…は!?」

可愛い顔して、
言うことがいつも急過ぎる…

「だーかーらぁ、合コン。
アズが人集めててね?
みーがもう1人誘うことになって、
んで、どーせサボッてると思ってさ。」

「え、いや。うん。
…まぁ、いいや。合コンか…」

「だめ?」

クリクリした目を向けられると、
私は何も言えなくなる。
美月、完全に分かってたと思うんだ。

「だめじゃないけど…。」

「じゃ、行こっか!!!
シダに皆居るって!!!…ね?行こ。」

駅から歩いてすぐのシダックス。
見るだけで溜息が出た。

合コンって基本的に嫌いで
あの微妙雰囲気や高いテンションに
付いて行けないってのもあるけど、
…そんな軽率な出会いは求めて無い。

だから当然顔は引きつってたけど、
美月の頼みだから。って
仕方なく頷いた。

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