君の僕

彼の部屋は3階の1番奥。

3LDKの間取りの部屋に
たった独り。
高級そうなソファには
厳ついドクロの落書きがあった。

…コイツ、絶対
物の価値観分かってない


「突っ立ってんなよ。
変な奴だな。ここ座れば?」

真っ黒のソファ腰かける。

思ったよりも、沈んじゃって
沈み具合にビックリした。

「こんな広いとこに独り?」

「あぁ。」

「アンタ何?ボンボン?」

「知らね。」

見間違いであって欲しい。
一瞬彼、寂しそうな顔した。

「あー、そうだ。名前は?名前。」

また、沈黙になるのが
どうしても嫌で
無理やりにでも話題をふる。

「彩斗。」

「珍しい名前だね。」

「お前は?何?」

「千恵…だけど。」

「オーソドックスだな。」

鼻でフンッと笑う。

「ムカつくなぁ…。
絶対間違えられないからいいもん!!!」

向きになってそっぽを向くと、
何でかな。
急に彼は私の手を握った。

< 19 / 87 >

この作品をシェア

pagetop