君の僕

車がついたのは、
発車してから30分以上過ぎた頃。

学校での疲れとかで
瞼が重くなった頃だ。


「ついたぞ。」

目の前には、大きな豪邸。
広い庭に大きな玄関。

「何ここ。どこぞの貴族?」

「は?貴族じゃねぇし。
俺の実家…かな、まぁ。」

家の門には、
ここ等…というか全国的に有名な
組の名前が書かれていた。

こんなとこが実家だなんて、
やっぱり世界の差を感じる。


キィー…

門を開けると、広い庭。

可愛らしさなんかどこにも無くて、
どこかメタリックな感じがした。


重たそうな玄関を開けると、
強面の男等が何人も目に入る。

背筋が凍るって、
こういうこと。

冷や汗が凄かった。

「親父居る?」

10人近く居る男の中で
1番怖そうな男に近づく。

「あぁ、はい。」

ドスの聞いた声に敬語が似合わない。

「ありがと。」

彩斗について行こうと
男等の横を通り過ぎる時の
視線に泣きそうになった。

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