君の僕


ねぇ、彩斗…


寂しいよ。

不安だよ。


なんで何も言ってくれないの?


亜美ちゃんのこと…
つらくても、
言ってくれれば良かったじゃない。


彩斗は有名な人だから、
どうせどこかから漏れるって
分かってたでしょう?


どうせいつかは知ってしまう事実なら、
彩斗の口から
全てを聞きたかった。

そしたら少しは、楽だったのかもしれないのに。


事実を全部聞き終えて、
彩斗が抱きしめてくれたら。

「今は大丈夫」って笑ってくれたら。

私も笑い返すことが出来たのに。


気にしないように、って
頑張る自分が虚しかった。

触れないように、って
気を遣う自分が悲しかった。


彩斗と亜美ちゃんの世界を
私は覗いてるだけ。

結局彩斗はこっちを向いてくれない気がして…


きっと被害妄想なんだとは思うけどね。

< 50 / 87 >

この作品をシェア

pagetop