君の僕
自分勝手だとは分かってたし
会いたくないわけじゃなかった。
でも、心の中のどこかにある
彩斗に対する不満とか、不安とか、
そんなものが邪魔をする。
“会わなくても彩斗は傍に居てくれる”
根拠も無い自信が私の中にはあった。
この時、何が起きていたのか
私は全く知らなかったから…
電話を切り、美月に電話をした。
弘樹先輩のところには
最近顔を出していない。
ひとりになりたいのに、
独りになるのが怖かった。
「もしー?」
ハイテンションな美月の声。
自然と笑みがこぼれる。
「急に電話して、ごめんね。」
「全然いいよ。
最近先輩んとこ来んね?」
「ちょっと色々あってさ。」
「何かあったら、ちゃんと言うんだよ?」
優しい声。
きっと、美月は心配してくれてる。
いつだってそうだった。
優しい子だもん。
「ん…、あんがとね。」
再び、涙が滲む。
「みーは、千恵の味方だし!!!」
「…ばーか。」
涙が溢れた。