君の僕

嬉しかったんだ。単純に。

独りにならなくて良かった、って
本気でそう思った。


電話を切り、布団に潜る。

美月の声を聞いて、
ほんの少しだけ楽になれた。



明日、彩斗に会おう。

それで…
それで、謝る。

いっぱいいっぱい謝る。

抱きしめてもらって、
安心感とか与えてもらって…
今まで通りに幸せに笑いたいから。


いつか彩斗にUFOキャッチャーで取ってもらった
ジャックのぬいぐるみを
力いっぱい抱きしめた。

明日、目が腫れたら
絶対彩斗に笑われるし…
今日はもう、泣かずに寝よう。


不安で泣きそうになったら、
不安なことの倍楽しいことを考えて
無理矢理にでも笑えばいい。



弱虫。
泣き虫。

すぐ不安になって、
すぐ不安定になる。

信じればいいじゃん。
好きなんでしょ?彩斗のこと。

彩斗じゃなきゃ駄目なくせに…


自分自身に話しかけて、
深呼吸を何回もした。

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