君の僕

この日の天気は雨。
日曜日で学校は休み。

目が覚めると、
プリキュアの時間だった。


夜、寝るのが遅い彩斗は
きっとまだ起きていないけど
一応電話をかけてみる。

呼び出しコールが、
1回。2回。

プルルルル…

4回目が鳴り終えようとした頃


「何?」

寝起きの不機嫌そうな彩斗の声。
笑顔だったけど、
胸の高鳴りが半端なかった。

「今日、会いたい…。」

顔が赤くなる。
女の子らしいな、って
自分自身で実感した。


だけど、返ってきた返事は

「俺は会いたくねぇ。」


…時間が止まった。


何の音も聞こえなかった。


「なん…で?」

涙が滲む。
やっぱり、泣き虫だ。


「お前、俺裏切ったろ。」

彩斗の言葉に涙が落ちた。

< 55 / 87 >

この作品をシェア

pagetop