君の僕

彼の鋭い目線も、
重たい空気も、
全部、自業自得。

私が悪かった。


…だから、逃げようなんて
卑怯なことしちゃいけなかったんだ。

「死ねよ、お前。」

イライラが伝わる言葉。

「ごめん…。」

「コイツから貰った手紙が、
どれだけ大事が分かってんのかよ!?」

亡くなったから、大事?
亜美ちゃんだから、大事?

…分かんなくて、
ただ、苦しかった。

「俺にとっての亜美が、
どれだけデカい存在か分かってんのかよ!?」

明確な言葉を彩斗はぶつけた。
だから…なのかな。
大きな脈が1回私を苦しめ、
その後すぐに涙が落ちた。

「ごめ…ッ…。」

「なんで、思い出させんだよ…。」

深い溜息に体が震える。



車はそれからすぐに発進した。

車内の空気が変わることはなく
私の嗚咽だけが響いた。

時折聞こえる彩斗の舌打ちや、
深い大きな溜息が
私の涙腺を刺激する。

苦しさで、耐え切れなかった。


だって…


だって、彩斗は

未だに亜美ちゃんに恋してる。


亜美ちゃんを愛してる。


…それが、分かったもん。

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