君の僕

大差


いつものココスで私は車を降りた。

彩斗はずっと無言のまま。


「ごめんね…。
ありがとう。」

言葉が重たかった。
ただ単に、胸が苦しかった。


イライラしていたのかな?
マイセンをずっと吸っていた。

大好きな匂いが切ない。

帰り道、涙が落ちるのを必死で堪えた。


何やってんだろ。
…馬鹿みたいだ。

何でポケットに入れたんだろ。
何で落としちゃったんだろ。

後悔ばかりで苦しかった。


家に帰ると、一目散に部屋に駆け込み
布団に包まった。

必死で泣きやもうと、
頑張ってみたものの努力は無駄。


何かの終わりが見えた気がして…
彩斗の気持ちの本性が見えた気がして…
もう、戻れないような気がして…

涙が、止まらなかった。


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