君の僕
しばらくして、美月に電話をした。
「みーの家おいで?」
私の泣き声を聞いて、
美月は優しい声でそう言ってくれた。
「…ありがと。」
心の中が少しだけ、
温かくなる。
腫れちゃった目で
外に出られる勇気もなく、
買ったばかりのサングラスをして家を出た。
自転車をこぐ足が重い。
傍から見れば可笑しな子だけど
でも、やっぱり涙が止められなかった。
美月の家についたのは
6時が過ぎた頃だった。
ピンポーン…
「上がりなー?」
優しい、温かい声が聞こえた。
玄関を開けると、
可愛らしいギャルの世界。
「ごめん…ね。」
えへへ、と作り笑い。
自分でも分かるくらいに痛々しい。
豹柄のラグの上に腰を降ろす。
美月は温かいココアを
私にくれた。