君の僕
美月の家を出て、
すぐに彩斗に電話をした。
呼び出しコールが
3回ほどなると、切られる。
それが4回くらい続いた。
「出てくれないのかな…」
呟いた独り言は、
あまりにも切ない。
でも、諦めることは出来なかった。
きっと、意地になってたんだろうね。
5回目の電話。
プルルルル…
プルルルルルル…
呼び出し音に泣きそうになる。
呼び出し音が不安にさせる。
3回目のコールが鳴り終わった。
「ストーカーかよ。」
彩斗の不機嫌そうな声が聞こえた。
嬉しさでいっぱいになったけど、
同時に不安もあった。
これで終わり、なんて
どうしても嫌だったから…
「ごめん…ね。」
「こういう時くらい、独りにさせろよ。」
きっと彩斗は、飽きれ顔。
だって、声に出てるもん。
…でも、苦笑いが聞こえた。
笑ってくれた。