君の僕

「俺、千恵の泣き顔好きだし。」

そう、最後の最後で照れて
煙草に火をつける彩斗が
可愛くて、可愛くて、大好きだった。


それからすぐに美月にメール。

『彩斗と復活(*゚A゚*)
み⌒ちゃん、ありがとね。』

『今度は泣く前に来るようにねー?笑
てか、元カノより今カノだよ♪
圧倒的な大差で千恵の勝利でしょ』

美月のメールに胸がジーンとした。


「彩斗ぉ…。」

「んー?」

「離れたくない…。」

家のリビングで2人きり。
呟いた本音は、切なく聞こえた。

「心配すんな。一生離してやんないから。」

「本当に…?」

「一生俺だけの女だろ、お前は。」

手の温もりを頭に感じた。
幸せ過ぎて、少しだけ不安で怖くて。
でもね?
それってきっと、仕方ないこと。
恋してれば、好きな人が居れば、
この不安は誰でも感じること。

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