二匹の猫、一頭の竜
「だあーもう、めんどくさいー 」

「どうしたんだよー、いったい」

ここはとある城

〔正確には砦だったと思うし、そもそも、とあるという名前ではないのだが、まあ、本筋とは関係ないので割愛します。〕

の牢屋の中で

この僕メラと、僕の姉、アイの二人は……

「ぴぃーぃ」

あー失敬、二人とペットのケルピーの一羽は、くだらないことをダラダラと話していた、

「だってさー、ちょーっとお代を払わなかっただけでこれだよー」

そう言って、アイは両手を前に揃えて出し、手錠をかけられたポーズをとった。
「よく言うよー、払う気なんて、全然なかったくせに」

そう言って僕は、溜め息をつきながら呆れ返った。

というのも

僕たちは食い逃げで捕まったのだ。

しかし

一度、だけならまだお代を払い忘れてたで済まされ……ないか

ところが

僕らは、それを何度も繰り返した

だから捕まったのだ。

まあ

ここまでは、計画通りだけど…………

「という訳でだ、そろそろ……脱獄〔で〕ようぜ」

「言うと思ったよ」

その直後だ

牢屋が爆発したのは……。
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