【短編集】時空郵便
二通目:優しいお姉ちゃん
流れゆく景色は儚くて人はそれを形に残したがる。
レンズ越しの虚像はただ無機質に、その刹那を流れる時間から切り取ってしまう。
私はカメラと言うものが好きじゃない。
だけど瞳に焼き付けただけでは景色は、思い出は、感情はすぐに劣化してしまうもの……
だから私はありのままをこの手で描こうと思う。
これから先だってずっと
ずっと――