Sin







「えっと、昨日の子だよね?」



あたしは真さんからの質問でまた泣きそうになる。
真さんがあたしに話しかけてる。
声だけだった真さんがあたしに…



「おーい。もしかして違った?」





あたしは霞む視界を何とか元に戻して頑張って返事をする。





「はっはいっ!!」




少し上ずった声に真さんがくすっと笑う。
そんな笑顔はだめだよ…



「どうしてそんなに緊張してるの?」



真さんはあたしに優しく話しかけた。
あたしは勇気を振り絞って聞いてみた。



「あのっ!!…Sinさんですよね…?」




だんだん小さくなっていく声を必死で持ちこたえてなんとか最後まで言えた。
どういう表情をするのか怖くて目をつぶっていたけどやっぱり気になって少しづつ目を開ける。
真さんは何も言わない…
もしかして違った…?


「…何で?何でそう思うの?」



真さんの声はさっきと変ってなかったように聞こえたけどその声の中には少しだけ冷たい感じが出ていた。

あたしの体は素直で真さんだって思ってたのにもしかしたら…という不安でがちがちと震えていた。

「え…声が…」


「俺の声がどうした?」


声は優しいんだけど眼は笑ってない。


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