BBS
書き込みの時間を見て、父は気付いたことがあった。


それは、たくやのコメントの早さ、であった。

彼女たちの、たくやへのコメントに対する返信の早さは、常に尋常ではなかった。

ほとんどの記事が、数分から数十分、長くても1時間以内になされていた。
そこに、父はたくやという男の孤独感を感ずるのである。

もしかすると、このたくやという彼は、現実には友人も少なく、学校では意外とおとなしい人物なのかもしれない、と父は思った。

そんな男にとって、自分に興味を持ってくれる、話してくれる、評価してくれる。
そんな彼女たちの存在は、実に貴重なもの、だったのかもしれない。
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