もうひとつの桃太郎

(手順1)
口にお酒をふくませ飲み込ませる

(手順2)
呪文を次のように唱える

「Kyu・清酒・銘酒・Summer
ありがとう」

「キュウ・セイシュ・メイシュ
サマ~ありがとう」

猿は何度も何度も呪文を唱えました

死にかけたカボ太郎は

けっこう顔色はよく

しかし呪文を唱えていると

水を吐き出し、みるみるうちに

ピンク色の肌に変わり

なんと!桃太郎に変身したのです

「やったあ!ついに桃太郎の

登場です!」

物語の最後に登場するという

展開はどうか?と思いつつ

桃太郎はムクッと立ち上がりました

「みんな、どうもありがとう」

村についた桃太郎達はまっしぐらに

おじいさんおばあさんのもとに

走りました

変わりはてた・・ではなく

見違えるほど立派になった桃太郎に

おじいさんもおばあさんも

びっくりしました

涙をぬぐいながら

おばあさんは聞きました

「あなたはカボ太郎なの?

桃太郎なの?」

「もちろん、桃太郎です!

ぼくは甦りました、過去の

カボ太郎の活躍に感謝しています

それから鬼にも感謝しています

だって鬼の盗んだ宝のおかげで

ぼくは甦ることができたのです」




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