SUMMER DAYS -24's Outsider Love Songs-
スージーから病院を聞き出すと、僕は踵を返して病院へ向かった。
ケンは普段は温厚だが売られた喧嘩は買う主義だった。
スージーの話では全体は掴めなかったが、ケンと目的地であるイタリアンレストランに向かう途中3人の所謂ストリート・ギャングに絡まれたらしい。
(3人相手とかバカだよアイツ)
病院につくとあたりはいよいようす暗くなっていった。
僕は一直線にケンの病室に向かった。
(無事でいてくれ)
大きく息を吸い病室のドアをあけた。
入口からはベットの足下しか見えない。スージーも居ないようだ。
僕は足音を立てない様にベットに近づいた。
眠っていると思われたケンは、肩を震わせていた。
手には『行け!稲中卓球部』の7巻が握られていた。
「あっ」
声のするドアの方を振り向くと、気まずそうな顔をしたスージーが立っていた。
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