♂性別転換♀

「それで、俺はなにすればいい?」


率直な疑問をぶつけると、


「僕に任せて、お兄ちゃん」


とだけ言い、右手の人差し指を立たせて俺に向ける。


それをクルクルと回しながら、なにやら唱えだした。


「チチンプイプイ、チキンプイプイ。お姉ちゃんにな~れ!」


わー、なんとも典型的な呪文だこと。


しかも後半チキンになってるしね、チキンに。


適当すぎるよ少年。もうちょっとカッコイイ呪文を考えようね。


などと詠唱時間わすが数秒に間に色々ツッコんでいると、「な~れ!」の所で俺に向けた人差し指から、金色の光が飛び出した。


突然のことで身動き出来ず直撃。


痛みはなにもなかったが、直撃した腹部から強烈な発光が生じ、視界は白い世界へと切り変わる。
< 11 / 265 >

この作品をシェア

pagetop