♂性別転換♀
時にそれは、死に直結する。
大翔に出会って、真っ先に学んだことがそれだ。
だから俺は五月という中途半端な時期に、川に白鳥がいても不思議とは感じない。
存在するものを否定することは、己自信を否定することになるのだ。
と、哲学的なことを思案しながら、ふと川へと目を向けた。
煌めく水面にカルガモの親子が「助けて~」と叫ぶ有機体をスイスイと横切った。
川のせせらぎとバシャバシャと水を叩く音が、優雅な協奏曲となる。
そして俺は思った。
嗚呼、今日も平和だな~と。
さーて、今日も一日頑張りますか。
「て、溺れとる!?」