♂性別転換♀
虎ちゃんに助けを求める。
虎ちゃんはすっと俺と曖昧コンビの間に立ちふさがると、強い口調で口撃する。
「イジメなんてダセーことしてんじゃねえよ! 光が何したってんだよ!」
「はぁ? あんたには関係ないことでしょ」
「これはアタシ達の問題なの。部外者は黙ってくんない?」
「黙って見てるわけいかねえよ! 光は、光は……」
最初は威勢が良かったのだが、徐々に虎ちゃんの語尾が小さくなる。
しかも、ほのかに頬も紅潮しているようだ。
あれ? さっきまでの勢いはどこに行ったんだ?
微妙な空気。ここぞとばかりに曖昧コンビは、僅かに生まれた隙間を突いてくる。
光がどうしたっていうの? 無関係のクセに良い子ぶらないでよ偽善者が、と。
いくらなんでも言いすぎだが、曖昧コンビの言い分ももっともだ。