♂性別転換♀
大きな黒いバックを重そうに両手にし、入口で手招きしている。
なんで大翔が学校にいるんだ!?
「大翔、なんでお前がここにいるんだよ!」
「僕はお姉ちゃんの保護者でもあるんだよ。学校に来ても不思議じゃないでしょ?」
大翔の胸元には、キラリと『来校者がつけるプレート』が光っている。
事務のおばさんも、こいつを保護者と認めたのね。
グダグタっすな、この学校。
「それでも来るんじゃねえよ。お前と俺の関係をクラスの奴らにどう説明すればいいんだ!」
「大丈夫、時を止めたから」
「はぁ? 冗談も休み休み言え……」
本当に時が止まっている。
人も物も時計の秒針も。何もかもが、その動きを止めている。