♂性別転換♀
大翔の唇が、言葉を紡ぎだす。
「映画に出られるよ!」
パンパカパーン! パンパンパンパッパカパーン!
軽快なリズムと何処から出てきたのかくす玉が割れて、色とりどりの紙吹雪とテープが俺の頭上に舞落ちた。
足元にはキラキラした三角帽子を被った、熊やウサギや犬その他もろもろの人形が、それぞれの楽器を手にしてドンチャン騒ぎで踊っている。
とりあえず、
「消えうせな」
人形の音楽団を蹴散らし黙らせた。
楽器を鳴らしていた人形達は動きを止めて、普通の人形に戻った。
「お姉ちゃん酷い! お人形だって生きてるんだよ!」
「お前が命を吹き込んだろうが!」
「それで映画のことだけどね」