♂性別転換♀
俺は奴の手を払い除け、睨みつけた。
「聞いてなかったのか、さっさと俺を元にもど……」
ん、ちょっと待て。
皆さん一ページ前に戻りましょう。
そして少年のセリフにご注目。
―――戻せないよ。それにお姉ちゃんになったんだから、僕と一緒に暮らすんだからね―――
「お前、さっき『戻せないよ』て言ったよな?」
「うん。魔力全部使い切っちゃったからね。回復するには、か―な―り時間がかかるよ」
「ハハハ……そう、なの、ね……」
疲労に加え、望みを失った喪失感。
目の前が真っ暗になり、俺はその場で気絶したのだった。