♂性別転換♀
そして、決してふざけて聞く内容ではないこと。
二の句が紡げなくて、ベッドに寄り二人の大翔を見下ろした。
『そっくり』というより『同じ』
輪郭、鼻の形、ホクロの位置、全て一致していて恐いくらい似ている。
だけど肌の色は寝ている大翔の方が血色がなく青ざめていて、生気が感じられない。
それこそ人造人間のよう―――
音が、鳴る。
魔法を発動する時、必ず鳴る指の音。
なにかしら魔法を使ったみたいだが、俺にも二人の大翔にも変化はない。
だけど俺には分かる。数日間とはいえ我が儘大翔と寝食を共にしてきたのだから。
背後に視線を送る。
ほらやっぱり。病室の扉は壁となって出入口を塞いでいた。