♂性別転換♀

……まーなんとかなるか。


俺の癖や家族しか知らない事を並べて、無理にでも理解させてやる。


それに兄貴は魔法とか信じる方だし。


母さんも女の子が欲しかったと嘆いてたしな。


親孝行だ、親孝行。うんうん。


「殺しゃしねーよ。魔力が回復したら男に戻せよ、な?」


あやすように、大翔の頭を撫でる。


大翔はあの潤んだ瞳で、俺を見上げた。


よく見ると、なかなか可愛い顔をしているな。


変な魔法をかけられたり殺されそうになったりと死線をさ迷っていたせいか、大翔の顔をはっきり眺めたのはこれが初だ。


て、あれ? 俺、男に可愛いって思っちゃったぞ。


まさか、体が女になったから恋愛対象も女から男に……。
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