(タイム)Timeless(レス)
《ピンポーン ピンッ ポーン》
『……んぁ』
やっと寝付いた矢先だった。
うるさく鳴り響くインターホンに眠りを妨(サマタ)げられたのは……
でも、カーテンの外は明るい。
そうか。
一応、朝まで寝たのか。
眠りが浅すぎたのか、いまいち寝た気がしない。
かと言って、寝不足な感じもないけど。
《ピンポンピンポンピンポン ピンポーン》
つか、うるさいって。
1回鳴らせば、わかるっつーの。
『はいはいはい。 どなたですかねい?』
とりあえず寝癖を直してる時間なんてないもんだから、手で髪をクシャクシャっと無造作に崩して玄関を開ける。
『瑛太! 大丈夫!?』
そこには、懐かしい顔が待っていた。
『昨日の葬儀見てさぁ… 私、瑛太が心配で』
『……レナ…』
もう半年くらい会っていなかった女。
葉月の友達で……俺の…元カノ…か?
いやいや、元カノじゃないよな?
ただ、何回か関係もっただけ……?
『マジびびったよ〜! 瑛太、葉月が好きだったんだねー』
ってか、俺が驚いてんのはお前の行動だよ。
何で自然に俺に抱き着いちゃってんの?
もしかして、可哀相な俺を慰めてる?
あ、ていうか……
今、現実?
だってレナ「葉月の葬儀」って言った。
やった。
俺、夢から醒めたんだ。
『葉月も、きっと瑛太が好きだったと思うよ……』
はは、現実か。
微妙だなぁ。
夢の中、葉月が元気だったから。
動いて、喋ってたから。
……ある意味、夢の中は最高だったかも知れない。