(タイム)Timeless(レス)
『瑛太(エイタ)、マジすごかったよねー』

『葉月(ハヅキ)かわいそ〜。 私だったら成仏できなーい』





……うっせー、ブス。
テメーここに何しに来たんだよ。

昔の同級生だから?
友達が皆行くから?
つか、同窓会の代わり?

見え見えなんだよ。


『瑛太くん』

何度か聞いた事のある声で、名前を呼ばれ振り返ると、そこには中年のおばさんが立っていた。

『葉月ったら駄目な子ね…… 瑛太くんをこんなに悲しませて』

そっか。
この人、葉月の母さんだ。

前に見た時より痩せて、少し小さくなったみたいだ。
いや、俺が大きくなったのか?

『ごめんね…ごめん……』

大声で泣きたいんだろうな。
肩が震えてる。

それでも灰や花で汚れた俺の手を撫でて、謝った。


やめろよ。
葉月が死んだみたいだろ?
葉月がいなくなったみたいだろ?

葉月が…
葉月が……
葉月が…………ッ


『ッ…う……わぁぁー!!!!』

葉月が死んだ。

『ごめんね瑛太くん。 辛いよね…ッ』
『はッ…づき……!! 葉月ッ』

どうして!?
何で!?

どうして葉月なんだ。
他の奴じゃ駄目なのか!?

葉月を返してくれよ。


葉月じゃ駄目なんだよ。
死んだなんて信じられねーよ。
納得できないんだって。

信じねー、絶対に。
信じねーからな!!

葉月は、死んでない。

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