(タイム)Timeless(レス)
葉月と出会ったのは15歳。
高校に入ってすぐだった。

もう、どうやって出会ったのかは覚えてない。
でも、俺は一瞬で葉月に堕ちた気がする。







「今日、瑛太くんが来てくれたら、渡そうと思ってたの」

そう言って葉月の母さんがくれたのは、年期の入った古いノート。
高校生がよく使うアレ。
大学ノートって言うやつ?

そこには、葉月の文字が並んでいた。




《瑛太と遊んだ》
《瑛太と喧嘩しちゃった》
《瑛太、ケガ大丈夫だったかな?》

瑛太、瑛太、瑛太……

あいつ馬鹿だろ。
毎日毎日、俺の事ばっか。

死んだ時、誰かに見られたら恥ずかしいだろーが。

だから俺、日記なんて書かねーんだよ。
死んで読まれたら恥ずかしいから。

馬鹿葉月。
こんな恥ずかしいの遺して死ぬなよな。
馬ぁー鹿。



『……ッ馬鹿野郎!!』

ガンッと響く音。
壁にめり込む拳。
微かに滲む血液。

不思議と痛くはなかった。








2004.5.12

今日、また痴漢にあった…
毎日毎日、イヤになる

どうして男ってそうゆう事するのかな
そうゆうの楽しいのかな
男って最低!


でもでも…
助けてもらっちゃった
男の子にっ

きゃ〜 漫画みたーい!
「大丈夫か?」って〜
きゃ〜きゃ〜 恥ずかし〜

同じ高校の制服着てたなぁ
名前なんて言うんだろう

お礼するべきだよね?
お礼……クッキー?
よく知らない女の子の手作りなんて食べるかなぁ

でも、他に思いつかないし…

あーもー!
もしかして運命の出会い!?

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