学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜男子校のススメ〜
「翔?お前、【キューピッド】やる?」
友人が肩を組んできた。
「やるわけないでしょ。
だって愛なんてないんだから」
「つれないねぇ〜。流行に乗ってみる気はないのかよ」
「真実の愛探しが流行なら、俺は乗る気しねぇ」
「じゃ、俺は流行に乗ってみようかな♪」
「おうおう、行って来い。
そんで絶望して帰ってこい」
「お前な、不吉なこと言うなよな」
じゃあなっと友人は去っていった。
肩に乗せられた腕がなくなって、楽になった。
「じゃ、俺は帰ろ」
中2の冬。
俺には好きな子がいた。
彼女は美人で性格も優しくて、だから好きになった。
もちろん、誰もが彼女を好きだった。
自分の気持ちを抑えることも出来なくなって、俺は彼女に告白した。
正真正銘、初めての告白。
彼女の返事は「はい」だった。
本気の本気で嬉しくて、彼女と並んで帰ったときなんて、幸せそのものだった。
だけど、終わりはあっさりと告げられた。
「ごめんなさい、好きな人ができたの」